同友会ニュース−活動報告

【首長訪問】〜吉田信解 本庄市長に聞く〜企業と共に魅力溢れるまちづくりに挑戦

 \;  20代で市会議員に、37歳で県内最年少市長として初当選し、今期で4期目となる本庄市の吉田信解市長。
 「中小企業はまちづくりのパートナーであり、中小企業家同友会はフラットで広く汎用性がある組織でニュートラルな視点で提言してもらえるイメージがある」と語ります。将来にわたりパートナーであって欲しい、という考えから、自身の任期中に産業振興条例を策定したいとの強い想いをお持ちです。市の担当者も交え、定期的な勉強会を開催していている北部地区会では、その思いを共有したいと、インタビューに臨みました。

【聞き手】
北部地区会:金子弘行地区会長、東 禎章広報委員、岡崎吉宏幹事、巴高志幹事




●本庄市長4期目、市政を担うリーダーとしてのご心境をお聞かせください。

 みんなで知恵と力を出し合って社会を支え合う事が大切です。少子化にともなう生産人口の減少など、経済・社会活動の縮小傾向は避けられませんが、常に未来を見据え、実行していくチャレンジ精神が必要と考えています。市長4期目に入り、これからの4年間のテーマを「支え合い、新たに挑むまちづくり」としました。市長としての思いを凝縮させたこの言葉を胸に、新たなまちづくりに挑戦してまいります。
 まずは、本庄ブランドを育てていきたい。今までは外に向かってあまり語ってきませんでしたが、これからは、なぜ良いのか、何が良いのかを、外に向かって語る必要があると考えています。一つの例で言うと、これまで「埼玉きゅうり」で出荷していた包装を「本庄きゅうり」に変更し、さらに、地元の人気マスコット「はにぽん」を包装デザインに取り入れることにより、本庄産であることを明確にし、パッケージ化して首都圏で販売しています。本庄には非常に良い食材がたくさんありますので、そうした地元の良い食材を使った料理と観光をPRすることはもちろん重要ですが、さらに、それを我々市民が語れることも大切だと考えています。

●本庄市の企業の現状について教えてください。

 \;  市内の業者数は卸売・小売業が一番多く、次に宿泊飲食サービス業、三番目が建設業、続けて生活関連、製造業、医療福祉、不動産業賃貸です。各業種がまんべんなくあります。
 市内には事業所数が3,000以上あり984の企業があります。資本金一億円以下が925社でほとんどが中小企業です。人口規模からみて事業所数が多いのが特徴です。企業と一緒にまちづくりを進めていきたいと思っています。

                         ▲本庄市役所庁舎

●本庄版ネウボラを実施します。

 \;  ネウボラとは、フィンランドで行われている取り組みで、妊娠・出産期から子供の就学までの相談に一貫して対応する子育て支援制度です。本庄版ネウボラは更に支援の幅を広げ、婚活・結婚の段階からサポートします。本庄市社会福祉協議会は、これまでの婚活への取り組み実績が評価され、埼玉県の婚活拠点に選ばれています。
ここでは、相談員による支援だけではなく、AIを使ったマッチングシステムの導入や婚活パーティの開催など多角的な支援をおこなっています。今後はこうした分野でも、中小企業とタッグを組みたいと考えています。行政だけが婚活支援をするのではなく、結婚適齢期の社員が働く企業にも、このシステムに登録していただき、応援していただきたいのです。こうした取り組みは、企業で働く、より多くの方々の婚活を応援し、結婚、そして域への定住を促すことにより、持続可能な社会の形成に寄与するための施策です。ぜひ企業にも、このシステムへの参加と適齢期の若者への支援をしていただきたいと思います。

●まちなか定住について

 一番の課題は旧市街地の再生です。本庄早稲田駅周辺では、土地区画整理事業による新たな街が出来つつありますが、旧市街地では、モザイク状に空き地や空き家が入り組んでいますので、その再生には、様々な取り組みが必要と考えています。
 そこで、人口減少・高齢化社会に対応した集約型都市構造へと緩やかに誘導することを目的にした、「立地適正化計画」を今年の4月より実施するとともに、「まちなか再生宅地開発補助金」という制度もスタートさせました。この補助金制度は、「まちなか」の居住増加に繋げるため、民間活力を活用した住宅供給促進に向けた支
援制度であり、立地適正化計画の施策の1つとして掲げられたものです。あらかじめ定められた区域で、一定規模以上の宅地開発等を行う民間事業者に対して、最大2,000万円の補助金を交付し、民間開発を積極的に後押しすることにより、まちなかの再生に寄与するものと考えています。
 空き家の問題については、利用可能な空き家は、ぜひ、若い人に店舗として活用してもらいたい。そのための補助金制度もあります。また同時に、NEXT商店街プロジェクト事業(空き店舗ゼロプロジェクト)も動き出し、空き店舗になっている店舗所有者の思いを共有しながら、創業希望者の創業プランと空き店舗をマッチングさせるなど、空き家、空き店舗の解消に取り組んでいます。今、市内でも、蔵を使った床屋や明治の頃に建造されたレンガ倉庫を利用し、面白い試みをされている方がいます。こうした一つひとつの試みにより、魅力ある店やスポットが点としていくつもあるので、これを線や面にして行きたいと思います。
 さらに、景観も大事です。電線地中化などの取り組みによって、街の空間を良くしなければと思っています。

●教育について

 市内の企業に職場体験授業を実施してもらっています。この体験で子どもたちが進路に対する目的意識を高
め、夢や志を持ってもらえたらと考えています。本庄市の職種がバラエティに富んでいるので職業体験には大変良い環境です。地元の人や地域の企業を好きになってもらいたいと思います

●企業誘致・定住人口増について

 大手企業だけでなく中小の企業誘致も積極的に行っています。また、定住人口の増加のためには、近隣の企業に勤める人が本庄に住みたいと思えるよう、取り組むことが大切です。
 市内では新築住宅の着工件数が多く、20代では市外への転出数が多いのですが、30代になると子供と一緒に本庄に戻られる転入者の方が多くなっています。市内には高校が6つあり、教育環境も整い、移住者の不満も少ないと感じます。
 商工会議所での起業セミナーや、埼玉信用組合が実施している地域クラウド交流会など、起業家向けセミナーも好評です。

●同友会に期待することは何ですか?

 同友会は地域に根ざした企業のネットワーク。フラットで広く汎用性があると感じます。
 中小企業の振興条例作りは自分の任期中にやりますと議会でも発言しました。条例を作ることによって中小企業はまちづくりのパートナーであると位置づけます。
 今後とも、中小企業の声を市政に反映するためにも、より一層頑張っていただきたいです。末永く地域振興の担い手として、また、行政や住民と協働する主体として力を発揮していただきたいと願っています。

 \; ◆市長インタビューから2か月後の10月18日、北部地区例会で吉田本庄市長と太田代表理事をお招きし、「中小企業振興条例とまちづくりを学ぶ」で吉川市の事例を元に振興条例とその作成について学びました。当日は同友会会員だけでなく、市役所、商工会議所、農協の職員の方たちも参加。太田代表による産業振興基本条例を制定した吉川市の事例を聞いてグループ討論を行いました。振興条例は中小企業のためだけではなく、地域の住民、女性や高齢者、障がい者の幸福実感向上のために作成するという吉川市の理念と条例の作成過程を吉田市長も熱心に聞いていらっしゃいました。         

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