同友会ニュース−企業訪問

【地域と生きる 第3回】ハローハッピー!地域と歩むFM放送局((株)エフエムこしがや 代表取締役 越野操)

FMコミュニティ放送との出会い

   越谷市で長くボランティア活動に携わっていた越野氏は、障害者の自立支援や目の不自由な方のサポートなどのボランティアを通じて、行政と関わる中で、必要な情報が必要な人のもとに届いていないという、もどかしい思いを強くするようになりま
した。
 そんな中、1995年1月、阪神淡路大震災が発生。当時ボランティアで現地に入った越野氏は、地元FMコミュニティ放送局『エフエムわいわい』から流れる情報が人々の生活を支えている状況を目の当たりにしました。そして、「必要な情報を必要な人に届ける」ために、地元越谷にもFMコミュニティ放送局を開局したいとの強い思いに駆られました。
 越谷に戻った後、忙しさの中で開局への決意が遠のいた時期もありましたが、2009年4月に命に関わる大病を患い、「何かやり残したことはないか?」と振り返ったとき、「FMコミュニティ放送局開局」への思いが再び湧き上がってきました。
 2010年12月、『こしがやエフエム』開局のための準備会を立ち上げました。当初は賛同者も少数でしたが、越野氏の胸には固い決意がありました。

東日本大震災がきっかけに

 しかし、実際の開局に至るまでには大きな壁がありました。最初の壁は、規制の壁でした。開局には総合通信局(総務省)の無線許可が必要であり、アンテナ設置場所の決定など民間では限界があったのです。この難題は市長のマニフェストにFMコミュニティ放送局支援の文言を入れてもらったことにより大き
く進展しました。
 最大の壁は資金集めでした。この難題は天命とも思える出来事が影響しました。2011年3月11日、その日越野氏は行政にFMコミュニティ放送局の重要性を訴え協力を頼むため、越谷市役所を訪れていました。当時の担当者の発言は、「今さらラジオなんて時代に逆行している」と厳しいもので、冷ややかな空気が流れる中、まさにその時です。かつて経験したことのない激しい揺れに襲われ東日本大震災が発生しました。担当者と一緒に夢中で市役所の外に飛び出した越野氏。まさに自社の使命をあらたに感じたでき事でした。
 この経験から開局への意をさらに強くした越野氏は、自ら地元企業に増資をお願いするために自転車で奔走。資金集めのために開いたコンサートには、越谷市内の交響楽団や越谷在住の音楽家など多くの市民の協力を得ることができました。
 この頃、準備会立ち上げメンバーの一人である藤井毬子氏(東部地区会)の紹介で同友会に入会します。活動に参加する中で経営指針の重要性に気づき、経営指針セミナーを受講。経営指針の成文化に取り組みます。この時作成した「ひと・つなぐ・ささえる」という基本理念は『エフエムこしがや』の根幹と言ってもよいでしょう。  

       ▲同友会入会のきっかけとなった東部地区会 藤井毬子氏(左)と

これからの『ハローハッピーこしがやエフエム』

   東日本大震災後、開局したコミュニティFM放送局は公設民営(行政が出資、民間が運営)がほとんどです。『㈱エフエムこしがや』は行政からの資金援助を一切受けていません。資金集めには苦労しましたが、自由な立場で自由な放送ができるのが、大きなメリットです。
 また、多くの市民がボランティアとして『ハローハッピーこしがやエフエム』を支えています。開局してから6か月以上が経ち、リスナーから「放送に癒されている」などの嬉しい反響もあります。「これからは、より地域に密着した放送を目指し、地域に特派員を置き、自治会や地域団体とも協力して地域の情報を流していきたいです。もちろん災害時の緊急放送も最重要です」と展望を語ります。
 『ハローハッピーこしがやエフエム』の周波数は、86.8MHz=ハローハッピー。これからも地域の人をつなぐ、支えるために歩み続けます。

【企業概要】

(株)エフエムこしがや
代表取締役 越野 操

■埼玉県越谷市蒲生茜町42-5 植竹マンション102
■TEL:048-940-7542 ■FAX:048-940-7543
http://www.koshigaya.fm/

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